【エフェクター自作】自作FuzzFaceでジミヘンサウンドを目指す方法
自作FuzzFaceでジミヘンサウンドを目指す方法は?
前回は、ジミヘンFuzzFaceを目指すなら自作がおすすめという記事を記載しました。
今回は自作する際のポイントを記載していきます。
ボリューム操作で音が激変!
FuzzFaceの特徴としてギターのボリュームへの反応が上げられます。ゲインを大きくしすぎなければ、ある程度歪ませた状態からでも、クリーン~クランチ~FUZZまでの音色をギターのボリュームのみで調整が可能です。
ジミヘンのライブ映像を眺めていると頻繁にボリュームを触っているのが確認できます。FuzzFaceはよくブーミーでぶっとい歪みと表現されますが、ブーミーな歪みの状態であるのはボリュームがフルテンの時くらいで、ボリューム8未満になると途端にローミッドが収まり、ハイが強調されたクリーンサウンドまで変化していきます。
しかし、綺麗に音が変化してくFuzzFaceはなかなか出会うことが難しいです。特にゲルマニウムトランジスタのモデルは個体差が激しいです。
FuzzFaceの個体差はほとんどがトランジスタによるもの
FuzzFaceの回路において増幅の肝となっているのがトランジスタです。ゲルマニウムトランジスタは温度変化による電流増幅率変化が大きく個体差も大きい上、入手できるタマが少なくある程度の数量を確保するためには高くついてしまうためにトランジスタのペアリングには大変苦労致します。数十個ゲルマトランジスタを確保してもほとんどがFuzzFaceに使えず、トランジスタ1石ブースターにでも使うしかないかな?という感じで未だパーツストックに残っております。
ゲルマトランジスタを用いてFuzzFaceを作成する際には、トランジスタの選定が相当シビアになることを覚悟して、AC128やNKT275、2SB77などFuzzFaceに使用されていた、もしくは向いているトランジスタを決め打ちで10個以上は購入し選定するのがよいかと思います。コストが気になるようでしたらシリコントランジスタでの製作が良いと思います。とはいえ、ゲルマトランジスタのFuzzFaceでアタリのモデルはかなり希少ですのでコスト高になっても作る価値はあろうかと思います。
特性を乗り越えるための工夫
ブレッドボードを前提に組み上げる場合はバイアス調整もブレッドボード上で行ってしまえば良いのですが、ブレッドボードは本格的にエフェクター自作の道に踏むこまない限りは導入は難しいかと思います。一番現実的なのは【調整が必要な箇所はトリマーにしてしまう】という路線です。ゲルマニウムトランジスタを使用したFuzzFace回路で特に秀逸な回路はこちらだと思われます。
http://generalguitargadgets.com/pdf/ggg_ff5_sc_b69.pdf
コントロールからするとフルトーン’69Fuzzと思われます。トランジスタのバイアス調整用にトリマが入っておりかかり方の調整が可能です。R7のBIASに関してはボリュームを絞った状態を回路上で作り出そうとしているもので、ギターのボリューム調整を前提にしているのであればここは省いても良いのかなと思います。Contourに関しても積極的な調整を求めなければ基板上のトリマにしてしまってもよいのかなと思います。
できればオリジナルのFuzzFaceと同じ回路で作成したいという気持ちもあると思いますが、定数そのままでフィットするトランジスタを探す労力とコストを考えると調整を前提とした回路を選択すべきでは無いかと思います。
シリコン版を作成の場合はこちらの回路図も完成度が高いかと思います。
http://generalguitargadgets.com/pdf/ggg_ff5_sc_b69.pdf
ゲルマトランジスタでのFuzzface製作での苦労はボリュームを絞った時にキレイなクリーンサウンドにならず歪んでしまったり音が濁ってしまう減少が起きる点です。経験上は2つのトランジスタのhfeは揃える、hfeは100前後または100未満のものを選定する、と比較的ボリュームを絞った際のクリーントーンがキレイに出やすいです。前段後段を入れ替えると結果が変わったりしますが、個人的には2つのトランジスタのhfeは近いほうがうまくいくケースが多かったです。
データを入力することで抵抗値を計算してくれるサイトもあります。
http://www.muzique.com/lab/fuzz_face.php
トライ&エラーは必要ですがお気に入りのFUZZを製作できた時の喜びは格別です。
FUZZFACEのマニアックな特集はとても参考になります。
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