HSWのDenchiman風なツイードアンプを制作する
宅アンプ王者 ”5F1ツイード チャンプ”
ビンテージはおろか、リイシューでもなかなか手が出ない…。
そこで、円高でお値打ちだったころ、VHTのSpecial 6 Comboを購入し、トーン回路をごっそり外して5F1仕様に変更したり、スピーカーをジェンセンに交換して遊んでいました。
しかし6V6シングルエンドは5Wながら一軒家で鳴らすにも爆音すぎ、マンションでは到底どころか1ミリも無理な音量。
結局ボリューム上げられず、でかいし、重いし、熱いし、真空管も値上がりして世間の風向きも厳しいし。何とか良い方法はないものかと考えつつ、真空管はあきらめて、スピーカーMODしたローランドのMicro CUBEをJCモードにしてエフェクターつないで遊ぶという環境に落ち着いていました。
HSW Denchimanのコンセプトは素晴らしい
HSWについてはいろいろ言われていますが、面白いコンセプトの商品がいろいろあったんですよね。いろいろ言われてますが、HSW商品の音はいいですよ。
パッコンマンとF-DriveはHSW店舗で購入して持っていたのですが、中身は386アンプキットのアンプそのまんま使用していました。ちなみにF-DriveはTS9まんまのまんま(笑)
オリジナリティって(笑)
自作をやり始めていろいろ知識が身についてしまった時は、この回路(とアンプキット)であの金額はぼったくりじゃん、と思ったり、怒ったりしたのでした。HSW信者だった頃は学生でお金なかったですし。
マルパク回路で何の工夫もないがプレミアム料金設定(Ja〇Rayとか有名だけど自分自身で確認したもので他にもある)なんぞ珍しくもなんともなく、ツイードチャンプの箱で386アンプを鳴らす発想をしたセンスに脱帽です(Denchimanは未購入なので中身は知らんのですが、本田さん本人がパッコンマンの回路をチャンプの箱で鳴らしたらめっちゃ良かったって言っていました)。本田さんの耳とセンスがいいっていうのは本当だったと思います。商売的にはもはや宗教状態でしたが…。
FETでアンプ回路再現したベロボード使用のペダルも最近は人気ですしね。某フジヤマですでに本田さんがやってましたね。あの時にリターン刺し文化と動画サービスがあったら絶対に人気者ですよ、本田さん。
真空管アップのデメリット
パワー管使った真空管アンプはあこがれますが爆音すぎて、普段使いでは使いこなせないんですよね…。
かといってコンパクトな方向にいきがちな電池式アンプは、箱のサイズからくるミニアンプ感がすごいです。
10インチスピーカーを体験してしまうと、やはり8インチ以上は欲しい…。
今使っているMicroCUBEも箱臭さを消すためにバスレフ封じ+フルレンジ5インチ+吸音材詰めまくりで極力フラットな特性になるように改造していました。
そんなことをしていると、スピーカー径が8インチ未満のアンプはどれを弾いてもなんかおかしいと思ってしまう…。ギターアンプの出発点は8インチからじゃないかなと思います。
でも、そんなサイズ感じゃ卓上&狭い部屋じゃ使いづらいので、今どきの宅用アンプはコンパクトな筐体でフラットに鳴らす設計を行い、アンプシミュレータを通して鳴らす設計になっていますよね。モニターアンプでシミュレータを鳴らす発想です。
YAMAHAのTHRは音もいいし、練習はめっちゃはかどるのですが、音の加工がされすぎてどんなギターもいい音になってしまう。欠点なんだかよくわからない欠点がある(笑)
食品でいうとだれが作っても99点な冷凍食品という感じで、便利でそこそこ良いけど突っ切ったなにかはない。
そうやって23年の今になって思うのは、Denchimanはシングルエンドのフルチューブアンプを通った人が、その爆音具合に辟易としてたどり着くという玄人向けすぎるアンプだったんだと。5F1チャンプからたどり着くものだったのだと…。
見た目も5F1チャンプ用のキャビネットを使用したと思われるものでかっこいいですし、Denchiman欲しすぎる…。
しかし今でもプレミアムプライス継続中のHSW商品は入手困難…。というより今後の値崩れが怖すぎて手を出す気がしない…。
見た目ツイードチャンプなJapaneseアンプをいじる
シングルエンドの真空管アンプは音でかすぎて使えない。けどちゃんとしたアンプを鳴らしたい問題を解決するため、なんちゃってツイードアンプ会の2台巨頭をDenchiman化することにした。
・Hand Made Concept VA-10
・Tokai TA35
VA-10は5インチ。TA35は8インチです。どちらもトランジスタ。
TokaiのはTMBコントロールに加えリバーブというチャンプよりはブロンコアンプ仕様。
スピーカーはFender Side Kick Reverbから取り外した8インチと、某オフでジャンク購入したMOD 5-30を使うことに。
Denchimanを知らなかったら、もったいなすぎて絶対やんないでしょう(笑)海外でもRuby AMPを5F1キャビにぶっこんでる人を見ないので本田氏は相当MADな方ですね(笑)さすがサウンドグル…。
アンプは共立の386アンプキットをそのまま使用するか、Ruby Ampを制作する方向性で制作開始。386アンプはこれまでいくつか作ってきたのですが、ちびいスピーカーを鳴らす目的でしか作っていなく、ちゃんとしたキャビとスピーカーで鳴らすとどうなるのか実験しながらすすめることに。
386アンプキットにエレキギター直刺しはインピーダンスが合わない!?
スモーキーアンプやLittle Gemとして知られている回路は、386アンプにエレキギターを直接インプットする回路です。今回の実験で386アンプ単体で試した結果は以下の点が気になった。
・インプットVOLを絞ったクリーン設定ですこし籠っている。よく言えばマイルド。悪く言えば抜けない。
・エフェクターを通しローインピでインプットするとハイが出る、音質が変わる。
386アンプは入力インピーダンスが低いため、直接ギターを入力するとハイ落ちを起こす、FUZZ FACEと同じことが起きている。ゆえに386アンプがFUZZに使われたりもします。それはそれで面白いのですが、5F1回路はプリアンプ+パワーアンプとなっており、チャンプの再現ならバッファは必要と判断。
386キットオンリーの状態で遊んでいるときに1ノブのリバーブを使用したら、リバーブオフでもバッファが効いていい感じだったのと、やはり宅用アンプとしてはリバーブを効かせて気持ちよく弾きたいので、1ノブリバーブ+386アンプキットを組みあわせて使うことに。
Denchiman風 リバーブ付きアンプが完成
そうしてできたのがこちら。
デジタルリバーブ付きで006Pではバッテリー持ちが心配なため、単3×6本で9Vの構成に。
ハンドルを新調すれば完成!
音はまさにツイードチャンプ!全開はやはり厳しいですが気持ちよく練習できる音量はあります。
ギター側のボリューム操作で操る楽しみもまさにチャンプ!
VA-10はパネル制作とRuby Ampのモディファイもやったので、次の機会に。