LM386アンプ回路調整
電池駆動のギターアンプといえばLM386
かのスモーキーアンプで使われているとされるのはLM386という低電圧オーディオパワーアンプです。
LM386 は4~12Vで駆動するため、単3電池なら3本以上の直列で、エフェクターで使われる9V電池でもスピーカーを鳴らすことができます。
電池=ミニアンプのイメージですから、電池駆動のアンプで音量出るの?と思いがちです。私もそう思っていました。
ギター用のスピーカーは能率がいいものが多く、9V電池で駆動させた386アンプでJensen C8Rを鳴らすと宅内ではフルアップが難しいくらいの音量が出ます。
真空管アンプだと5Wでも爆音で、パラレルの12AU7で0.5Wでもかなりの音量が出ます。LM386は9Vで8Ωスピーカー接続の場合0.7Wですが、真空管アンプくらいの音圧を感じます。
LM386にギター直差しすると…
ゲインを高く設定したLM386アンプでスピーカーを鳴らすと、フルアップ時にはオーバードライブし、ギターのボリュームを絞ることでクリーンサウンドになるといった真空管アンプさながらの挙動になります。その特性をうまく使ったのがスモーキーアンプですね。
LM386直刺しの音も野太くてなかなか良いのですが、小音量での練習は籠ってしまうために普段使い用としては微妙な音です。
これはRunoffGrooveでも言及されていて、LM386アンプにバッファを追加したRuby Ampが掲載されています。
実際にRuby Ampの回路を作成して鳴らしてみると、小音量時でもハイ落ちが無くいい感じです。ただ、掲載されている回路そのままですとハイ寄りの特性となってしまい小口径のスピーカーを鳴らすにとスカスカの音になってしまいます。
なのでRubyAmpの回路を一部修正しています。
Ruby Ampの修正内容
・Gain用の可変抵抗を外し、電解コンデンサー10uFへ変更
・LM386 7pinのコンデンサー1uFを電解コンデンサー10uFへ変更
LPFで調整してしまうのもありなのですが、フラットになるはずの特性の回路でうまくいかない場合はスピーカーの変更を検討かなと思います。音の出口となるスピーカーの音質への影響は大きいのですが、コンデンサーのようにホイホイ交換できるものでもないので、アンプ作りは奥深いですね。