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エフェクター・アンプの自作・改造・レビュー

Park G10のモディファイレシピ

Park G10で遊ぶ

Park G10外観

リサイクルショップなどではMarshallのMGシリーズなどよりも安価で売られているPark G10。大きすぎず重すぎず、小音量での歪みはLead12よりも扱いやすく、Marshallブランドで販売されていたらLead12に次ぐ人気機種になったのではと思います。良い音でもブランド信仰には勝てない。

今になって弾いてみると作りも悪くなく、使われている電子パーツはVSシリーズやMGシリーズと遜色のない作りで、かなりコスパが良いモデルです。

ブランドイメージの与える音の印象への影響は大きく、ブラインドテストして差がないような場合でも、ブランドの違いでよく思えたり悪く思えたりするので、音の世界は難しいものです。

別アンプ用にオークションでセレッションのeight15を入手したところ、フェンダー系の回路に合わず、マーシャル系のPark G10ならマッチするかな?と考えて制作したモディファイレシピです。

クリッピングダイオードの選定

Park G10の回路はオペアンプで増幅させシリコンダイオードクリッピングし歪みを生み出しています。LEAD12ではクリッピングダイオードが使われていないため、クリッピングなしを試してみるとLEAD12的な雰囲気が出て、ワイルドな歪み+ピッキングニュアンスが出しやすくなる代わりに音量が上がってしまい扱いづらくなってしまいました。

なのでクリッピングはシリコンよりも歪みが減るがクランチが得意なLEDでいくことにします。

オペアンプの選定

Park G10の回路で使用されているのは定番中の定番でJRC4558です。定番の良さはあってそつなく中音域に音が集まるのでいかにもオーバードライブというサウンドが得られます。マーシャル系エフェクターといえばJHSのAngry Charlieが人気ですが、怒ったシャーリーさんはLM833が使われているようです。JHSはLM833をよく使っていて、動作電圧的に選定しているとかいう話もあります。LM833を歪み系に使用するとこれがジューシーな歪み感でGoodサウンドです。アンプ回路ではオペアンプの動作電圧も高く問題なかろうと考えオペアンプはLM833を採用です。

スピーカーの選定

Park G10後ろ側

Park G10はOEM品と思われる8インチスピーカーが使われています。見た感じはセレッションやジェンセンと変わらない作りで、正直このままでもよい音なのですが、低音のつぶれが気になるので eight15を使ってみることに。eight15の特徴通り高音~低音までバランス良くなり、低音のつぶれが減りました。eight15のレビューを見ているとアンプのランクが上がったという書き込みがありますが頷けます。ジェンセンはミドルが落ちて高域が出やすいため、ブラックフェイス期のフェンダー的なサウンドを得やすいのですが、eight15は低音~中音が豊かなので小型アンプで歪みを作りたい方向には合っていそうです。

Park G10モディファイレシピ

Park G10基板

モディファイの内容です。

 

オペアンプ(IC1):JRC4558→LM833

ダイオード(D1、D3):シリコン×2→5mm赤色LED×2

スピーカー:オリジナル→セレッションeight15

 

LEDは3mmよりも5mmがおすすめです。5mmのLEDでも順方向電圧が1,7v程度の低い品種があり、粗めの歪みながらピッキングニュアンスが得られやすくマーシャル系の回路でしたら5mm赤色LEDが自分の中での定番です。

テーマは、Angry Charlienの音が出る練習用アンプだったのですが、まさにそのような音が出ます。Gainが2つあり、2つともフルアップすると歪みすぎて音がつぶれてしまうため、片方を16時にセットしてもう片方を上げていく調整の仕方が良いです。使えるGain幅も広がり、クリーン~クランチ~ドライブまで楽しく弾けるサウンドです。

こもるとか抜けないとか言われてしまうのはマーシャルはフルテン!といったおかしな神話が生み出していると思っています。大抵のギターアンプは、ベース、ミドルを8時くらいから上げはじめて必要な分だけ上げる方法が良いと思います。

フルテンが良い音なんだ!と思われている方はフルテンで良い音のでるアンプを探すしかなく、正しい方向とは思えないですね。