【アンプシミュレータ】ソフトウェアとハードウェアのメリット・デメリット
アンプシミュレータにおけるソフトウェアのメリット・デメリット
ソフトウェアのメリット
ソフトウェアは場所を取らない為、ハードディスクやSSDの容量が許す限り複数のソフトをインストールしていってもスペースを取りません。
筆者はGuitarRig3から始まり、POD Farm、Amplitube、BIAS FX、PRS SuperModelsと所有してきました。ソフトウェアの良いところは機材(ソフト)をどんどん増やしていってもスペースを取らないのと、気分で接続変更なしに機材を変更できる点です。
一昔前まではデジタル臭い、シミュレータ臭いと言われていた音質もかなり進化し、かなり実機のフィーリングに近いものとなってきています。
ソフトウェアデザインに関しても元のモデルをイメージしやすいよう意匠を凝らしている場合が多く、バーチャルな世界観ですが、機材をイメージしやすい=所有欲を満たすことができる点もソフトウェアのメリットです。
ソフトウェアのデメリット
ソフトウェアタイプのアンプシミュレータを選ぶデメリットは、レイテンシーや音質が環境で左右されてしまうこととPCベースのため持ち運びに難があることです。
最近のPCとインターフェースを選択すればある程度問題なく使用できますが、OSのバージョンアップによりレイテンシ設定を変更せざるを得なくなったり、環境によって左右される部分が多いため、本格的にストレスなく使用するためにはハードウェアに対する投資が必要になります。
PCならではのデメリットもあって、よほどのこだわりがあって音楽専用機で運用するということでもしない限りインターネットやYoutubeなどの誘惑に負けてしまい、練習がはかどらないことがあります。PCベースであることのデメリットは特にストラトではとくにノイズを拾いやすいことも挙げられます。
アンプシミュレータにおけるハードタイプのメリット
ハードウェアのメリット
POD HD、BOSS GT-1、ZOOM G1-Fourなどのハードウェアタイプのアンプシミュレータ(マルチエフェクター)のメリットは専用機であるためにレイテンシーはかなり少ないです。現在標準的なUSB2.0接続でのインターフェースを使用した環境に比べるとハードウェアタイプは格段にレイテンシーが少なく演奏時に違和感がありません。内部ではソフトウェアによる処理が行われているのですが、DSP以外に処理を行うことがありませんので、ソフトタイプに比べ音質が安定している点もメリットになります。可搬性を意識している機材が多いため、スタジオやライブの持ち出しも可能です。
ハードウェアのデメリット
ハードウェアタイプの機材のデメリットは、操作性や機能が限定されてしまうことです。購入してみたが使い勝手があまり良くなかった、古くなってしまった為に機能が見劣りするなどがあります。アナログマルチの場合は古くてもサウンドに魅力があるとされる場合がありますが、DSP機材では基本的に古いものが良いとされる場合はかなり少ないと思われます。逆に一昔前の機材が投げ売りされている場合も多く、POD XTなど比較的安く手に入る為、練習用途に限定する工夫をすれば活用できる場面もあります。あえてラックタイプのPODを安く購入して使い倒すなどもありかもしれません。
ハードウェアタイプのデメリットとしては、操作性と音質が全てメーカーに委ねられるため、音は良いけど操作性が分かりづらいということが発生します。筆者はBOSSマルチを使用していたのでBOSSマルチの操作体系に慣れてしまったために、POD HDでの操作性に慣れることができず、結局PCでエディットしていました。
機材やソフトウェアの進歩は続く
ソフトウェアであれば設計やIRの使用、ハードウェアであれば内蔵チップの高性能化による精度の向上など、どちらを選択してもアンプ実機のフィーリングに近づいている感覚があります。一昔前はデジタル=妥協という状況でしたが、最近の機材ではデジタルは可能性の一つとなってきております。ソフトウェアに関してはデモ機能があるソフトも多く、試用することもできますし、ハードウェアについては楽器屋さんでの試奏が可能です。目的に合わせた選択は必要と思いますが、思いがけず気に入ったサウンドが得られる場合もありますので、先入観なく導入してみるのが良い結果を得られるのではと思います。筆者はソフト版のBIAS FXにハマり、ハード版の購入で幸せになれるのではないか目論んでおります。